ポケットWi-fiの選択肢として、最上位に来ることも多い「WiMAX2+」。
「都会だと爆速だ」なんてよく言われますが、本当はどの程度なんでしょうか。
いざ契約しようとなると、気になってしまいますよね。
今回はそんな皆さんのために、都内14か所でWiMAX2+の速度を実測!
auの通常LTE回線の速さも同時に測定して結果を比較したところ……
WiMAX2+が勝利!とまではいかないまでも、かなりの健闘を見せてくれました。
測定結果をご覧になる前に!WiMAX2+と通常LTE回線の違いについて説明させてください!
実を言うと……WiMAX2+も、LTE回線なんです。
でも、「電波の周波数」が異なっています。
その周波数によるつながりやすさの差があるため、同じLTE回線でも、WiMAX2+よりも通常LTE回線のほうが速度が出やすいんです。
なので、普通に速度勝負すれば、WiMAX2+は通常LTE回線に負けます。
というわけで「WiMAX2+がどこまで健闘できるのか!?」というのが、今回の測定のテーマです。
目次
WiMAX2+東京都内の速度、計測条件
まずは今回の測定に使用した機種と、諸条件を説明していきましょう!
機械にうといから「通信速度なんてわからないよ!」という方のために、サクッと分かる用語の解説も用意しておきましたので、あわせてご覧ください。
使用機種&使用回線
使用機種:Speed Wi-Fi NEXT W04(ハーウェイ)
速度計測使用アプリ:Speedhecker
使用スマートフォン:iPhone7Plus(Apple)
使用回線:WiMAX2+ ハイスピードエリア(WiMAX2+の通常回線)
回線速度の比較対象:au 通常LTE回線
- どこでもルーターひとつで通信が可能な「ポケットWi-Fi」の1種
- UQコミュニケーションズが提供し、回線はauのものを使用
- 通信はLTEで行われるが、電波周波数の関係で、通常のau LTE回線よりはすこし弱め
- Y!mobileなど、他社のポケットWi-Fiに比べ高速といわれる
- ギガ放題にすれば、通信制限ほぼなし(3日間で10GBを超過すると速度制限)
使用機種、Speed Wi-Fi NEXT W04について
製品の特徴
- 理論値上は、かなりハイスペックな機種!
⇒下り最速440Mbps、上り最速37.5Mbps対応(理論上なので実際はもっと遅い) - ハイパフォーマンス、ノーマル、バッテリーセーブの3つからパフォーマンスを選べる
⇒ハイパフォーマンスは電池の減りが速い。今回は基本設定の「ノーマル」で実験! - スティックデザインでとにかく持ち歩きやすい!
⇒H13cm×W5.3cmのサイズで、ボトムスのポケットに目立たずイン!
●通信容量について
- bps:Bit Per Secondの略。1秒間に何ビットの情報を転送できるか
- Mbps:bpsの単位が「メガ」になった形。1秒間に何メガビットの情報を転送できるか
⇒1Mbpsなら、1秒間に1Mbの情報を転送できる
⇒YouTubeの高画質(1080p)動画を見る場合、2.81Mbpsならノンストレス
⇒YouTubeの通常画質(480p)の動画を見る場合、0.91Mbpsならノンストレス - Kbps:bpsの単位が「キロ」になった形。1秒間に何キロビットの情報を転送できるか
⇒1Kbpsなら、1秒間に1Kbの情報を転送できる
⇒1Kbpsなら1Mbpsの1000分の1の速さであり、かなり遅い
●その他の用語
- Ping:通信のレスポンスがどれくらい速いかを示す。数値が低いほどよい。単位はms(mili second、1000分の1秒)
⇒ビジネス用途であればほとんど気にならない要素
⇒「スプラトゥーン」のようなリアルタイムのゲームでは、Pingが悪いとラグが発生する
⇒Ping20以下であれば比較的高速。50程度でも通常のゲームプレイには支障なし - 下り:データをダウンロードしたときの回線の速さのこと
⇒メールの受信や動画の視聴、ファイルのダウンロード速度などに影響する - 上り:データをアップロードしたときの回線の速さのこと
⇒メールの送信のほか、画像や動画などファイルのアップロード速度に影響する
まずは日中の秋葉原でWiMAX2+の速度をテスト!
測定日時:2018年7月19日(平日・昼)
測定場所 | WiMAX2+下り | WiMAX2+上り | WiMAX2+ Ping |
ラジオ会館入り口 | 3.76Mbps | 3.78Mbps | 66ms |
ドン・キホーテ7階 | 11.52Mbps | 7.27Mbps | 61ms |
測定場所 | au LTE下り | au LTE下り | au LTE Ping |
ラジオ会館入り口 | 5.38Mbps | 7.87Mbps | 63ms |
ドン・キホーテ7階 | 8.55Mbps | 6.06Mbps | 61ms |
外国人観光客でごったがえすラジオ会館入り口ではau LTE回線に負けてしまったものの、人が少なめなビルの上階ではWiMAX2+がau LTE回線に勝利!
この結果には僕もびっくりしました。
上に書いたように、WiMAX2+は通常LTE回線より遅くて当たり前なのですが、勝てちゃうことがあるんですね!
また、WiMAX2+は電波が比較的届きにくい建物内でも健闘できることが発覚しました。
速度としてはHD画質の動画再生にも支障のない範囲であり、十分な数値。
どちらの回線を使っても、通信の遅さを感じることはありませんでした。
秋葉原より人は少なめ……上野周辺での速度は!?
測定日時:2018年7月19日(平日・昼)
計測場所 | WiMAX2+下り | WiMAX2+上り | WiMAX2+ Ping |
上野公園入口付近 | 5.85Mbps | 5.21Mbps | 86ms |
上野地下通路(地下2F) | 圏外 | 圏外 | 圏外 |
上野アメ横「大統領」前 | 5.21Mbps | 5.59Mbps | 374ms |
上野駅中央改札 | 7.92Mbps | 5.30Mbps | 137ms |
稲荷町交差点前 | 8.55Mbps | 4.37Mbps | 76ms |
計測場所 | au LTE下り | au LTE上り | au LTE Ping |
上野公園入口付近 | 6.80Mbps | 9.20Mbps | 56ms |
上野地下通路(地下2F) | 11.55Mbps | 9.47Mbps | 181ms |
上野アメ横「大統領」前 | 9.46Mbps | 7.67Mbps | 74ms |
上野駅中央改札 | 7.46Mbps | 11.69Mbps | 60ms |
稲荷町交差点前 | 9.73Mbps | 11.40Mbps | 70ms |
続きまして……
秋葉原から2駅ぶんの距離を歩き、上野での計測です!
ここで、WiMAX2+は残念ながら初の圏外が発生!
圏外を記録した場所は、上野地下通路の地下2F。
横に地図があったので撮影しておきました。
ほかの地点に関してもWiMAX2+の数値が全体的に劣勢になっています。
ですが体感で感じられるほどの通信の遅さはなく、高画質での動画再生にも十分耐えうる数値を叩き出してくれました。
人の多い上野駅でも十分な速度です。
通常LTE回線はさすがの速さ。
上野地下通路ではなんと上野周辺で最速となる11.55Mbpsを計測し、LTE回線の地下への強さを印象付ける結果となりました。
しかも、上野公園では、FPSなどのゲームをしても最低限は耐えてくれそうな数値を記録。
ところで、うだるような暑さのこの日、僕は銭湯の水風呂をもとめて、わざわざ上野の隣駅である稲荷町まで歩いたのですが、そこで悲劇に遭遇したことも付記しておきます。
高層階はどこまでいける!? 池袋東武で速度計測!
測定日時:2018年7月19日(平日・昼)
計測場所 | WiMAX2+下り | WiMAX2+上り | WiMAX2+ Ping |
池袋東武15F | 3.88Mbps | 3.05Mbps | 319ms |
池袋東武7F | 7.92Mbps | 2.89Mbps | 163ms |
池袋東武地下2F | 圏外 | 圏外 | 圏外 |
池袋駅中央改札(地下1F) | 2.81Mbps | 3.75Mbps | 333ms |
サンシャイン通り入口 | 4.40Mbps | 1.96Mbps | 41ms |
計測場所 | au LTE下り | au LTE上り | au LTE Ping |
池袋東武15F | 8.96Mbps | 8.39Mbps | 64ms |
池袋東武7F | 7.79Mbps | 5.46Mbps | 82ms |
池袋東武地下2F | 10.52Mbps | 7.52Mbps | 57ms |
池袋駅中央改札(地下1F) | 5.81Mbps | 7.58Mbps | 206ms |
サンシャイン通り入口 | 8.98Mbps | 3.71Mbps | 55ms |
「高層階に弱い」とされるWiMAX2+。
しかし、池袋東武の15Fにおいても応答速度こそ悪いものの、HD動画再生すら十分に楽しめる測定結果。
また、その半分の高さである7Fでは上りこそ悪いものの、下りはかなり好調な数字です。
一方で地下はやっぱり天敵な様子。
地下1Fでは他の計測地点より数値が悪化、地下2Fでは圏外となってしまいました。
ただ、地下1Fの測定場所は人でごった返す中央口改札。
人が多いうえに地下という悪条件にもかかわらず、HD動画を見てもほぼストレスフリーで行けるであろう回線速度を記録できたのは十分な結果といえます。
また、人がとにかく多いサンシャイン通り入口でもWiMAX2+の数値は不調気味。
応答速度はピカイチの速さを叩き出すものの、上り回線は2Mbpsを下回りました。
しかしこれもネットサーフィンにストレスを感じるレベルの回線速度では全くなく、WiMAX2+は人ごみのなかでも十分実用に耐えうる通信回線といえるでしょう。
一方のLTE回線は全体的に好調。
ただ、池袋駅中央改札屋やサンシャイン通り入口で速度が低下したところを見ると、周囲の人の多さが通信速度に影響を与えている可能性はあります。
とはいっても十分すぎる速さなので、やっぱりLTE強いな、という印象です。
電車内でも速度は出るか!? 山手線 VS WiMAX2+
測定日時:2018年7月22日(休日・昼)
測定場所 | WiMAX2+下り | WiMAX2+上り | WiMAX2+ Ping |
山手線 代々木-原宿間 | 1.70Mbps | 1.12Mbps | 203ms |
測定場所 | au LTE下り | au LTE上り | au LTE Ping |
山手線 代々木-原宿間 | 3.35Mbps | 6.71Mbps | 219ms |
地下と高層階に加えて、高速移動時もWiMAX2+回線の弱点とされています。
そこで今回スピードテストを行ったのは、東京の大動脈・山手線の車内。
今回は代々木⇒原宿間で計測しました。
その測定結果は、地下のように圏外にならないまでも、ほかの地点より低スペックなものになりました。
WiMAX2+では、高画質の動画再生は難しいであろう速度でした。
ただ、それでも速度制限を食らったスマホの10倍程度の速さは出ており、ネットサーフィンであれば十分快適に楽しむことができました。
なお、LTE回線でも相応にパフォーマンスが低下。
高速移動時は、両回線とも共通の弱点と言えそうです。
ちなみにPingでは、WiMAX2+がLTEに勝利し、部分的には上回ることのできるポテンシャルを見せました。
WiMAX2+の高速度は人でごった返す新宿でも健在!
測定日時:2018年7月24日(平日・夜)
測定場所 | WiMAX2+下り | WiMAX2+上り | WiMAX2+ Ping |
新宿アルタ前 | 3.61Mbps | 3.73Mbps | 303ms |
新宿駅東口改札(地下1F) | 2.89Mbps | 2.50Mbps | 179ms |
測定場所 | au LTE下り | au LTE上り | au LTE Ping |
新宿アルタ前 | 7.93Mbps | 13.24Mbps | 250ms |
新宿駅東口改札(地下1F) | 4.70Mbps | 6.98Mbps | 319ms |
東洋一の繁華街、新宿。
人で埋まるその街のランドマークのひとつであるアルタの前、さらには地下に潜って東口改札の2か所でスピードテストを行いました。
結論から書くと、WiMAX2+は地下1Fの東口改札でもある程度健闘。
LTEはアルタ前で爆速を記録しました。
また、一部の応答速度ではWiMAX2+が勝利することもありました。
結論:一部を除き、WiMAX2+はLTEに匹敵する速度
数値的にはLTEにも劣る部分を見せたWiMAX2+。
でも、上に書いたようにそれは織り込み済みのレベルでして、地下や高速移動中を除き、LTEにも迫る速度を記録しました。
HD画質の動画再生のような大容量通信も、ほとんどすべてのエリアでストレスなく楽しめます。
大きな弱点は地下2F以下のみ
WiMAX2+の3大弱点とされる、地下、高層階、高速移動。
高層階は15階まで上がっても十分な速度を記録しましたし、高速移動中も激混みの山手線内で1Mbps以上をキープしました。
ネットサーフィンやSNSを楽しむというのであれば十分すぎる速さなので、地下2Fよりも深い場所以外で、通信速度にストレスを感じることはほぼないでしょう。
僕も毎日のようにWiMAX2+を使っていますが、正直、通信速度に不満を感じたことは一度もありません。
まだ契約期間が2年ほど残っていて、これからも使い続ける者としてはいい数値が出てくれてよかったですw
細かいエリアはUQ公式ページで確認を
WiMAX2+は、通常LTE回線に比べて電波の波及しているエリアが狭くなっています。
都会であればすべて網羅されているのですが、地方、特に山間部へ行くとエリア外になってしまうこともありますので、契約前にUQの公式ページで確認しておいてくださいね。
キャッシュバックを活用してお得にWiMAX2+を使おう
これだけ快適ならWiMAX2+を契約してみようかな、と考えているあなた!
WiMAX2+にはたくさんのプロバイダがあるのですが、契約先を選ぶ際は「キャッシュバック」の額に注目してください!
というのも、WiMAX2+、どこの会社で契約しても、月額料金がほぼ同じなんです。
ただ、「キャッシュバック」の額にプロバイダごとの差があって、実質の月額使用料金が1000円以上も変わってきます。
そこでおすすめしたいのはGMOインターネットが提供する「GMOとくとくBBギガ放題」というプラン。
なんとこれ、キャッシュバックの額が30,000円以上もあるんですよ。
キャッシュバックのない、UQ公式が提供する「UQ Flatツープラス ギガ放題」と諸費用を比較してみると、下のような感じになります。
提供会社 | UQ WiMAX | GMOインターネット |
プラン | UQ Flatツープラスギガ放題 | GMOとくとくBBギガ放題 |
初期費用(手数料) | 3,000円 | 3,000円 |
初月(端末発送月)通信料 | 3,696円(日割計算) | 0円 |
2か月目通信料 | 3,696円 | 3,606円 |
3か月目目通信料 | 3,696円 | 3,606円 |
4か月目~24か月目通信料 | 4,380円 | 4,263円 |
端末代 | 800円~3,200円 | 0円 |
キャッシュバック | 0円 | 32,200円~34,000円 |
2年間の総額費用 | 109,268円 | 67,535円~69,335円 |
2年間の実質月額費用 | 4,552円 | 2,813円~2,889円 |
※「GMOとくとくBBギガ放題」のキャッシュバック額は、機種によって変化。
※上記の表は2年契約時のもの。3年契約の場合は「GMOとくとくBBギガ放題」のキャッシュバック額が最大39,450円になる。
もうお分かりですね、歴然の差です。
「GMOとくとくBBギガ放題」は数あるWiMAX2+プロバイダのなかでも最高のキャッシュバック額を誇っておりまして、現時点(2018年7月)でプロバイダを選ぶならこれ1択です。
あ、そうそう。まかりまちがっても家電量販店で回線を契約してはいけません!
家電量販店はネット申し込みに比べてかかる人件費が圧倒的に高いため、どんなキャンペーンを行っていたとしても総額がかならず割高になってしまうのです。
なので、WiMAX2+に限らず、回線申し込みをする際はかならずネットから行うようにしましょう。
WiMAX2+を使った通信費節約術を紹介!
僕は、このWiMAX2+とSIMフリースマホ(UQモバイル)をうまく組み合わせることで通信費を圧縮しています。
どういうことかというと
UQモバイルを音声通話あり月の通信量1GBのプランで契約
通信料が確実に足りなくなるのでWiMAX2+を契約
普段の通信はすべてWiMAX2+
WiMAX2+がつながらないときだけスマホの回線を使う
こんな感じです。
月々の費用は4,263円(WiMAX2+)+1,680円(UQモバイル)=5,943円。
3大キャリアのスマホを持つよりは明らかに安い金額です。
しかも、WiMAX2+を契約しているおかげで、外でPCを使う際も常に電波が確保できるようになりました。
2018年3月からフリーランスになった僕ですが、「この通信環境をつくってよかった!」と心から感じています。
いつでもどこでも仕事ができる、そんな環境を実現しながら通信料のコストカットに成功できたのでした。
場所を選ばず仕事がしたい! そんなあなたには格安SIMとWiMAX2+の組み合わせは特におすすめです!